介護が必要になる年齢や平均的な期間は?誰が介護しているのかも解説
65歳以上の人口が21%以上を占める「超高齢化社会」である日本では、介護の話題は避けては通れません。
今は元気な両親であっても、将来を見越して早めに費用の準備や心構えをしておく必要もあるでしょう。
そこで今回は、介護が必要になる年齢や介護の平均的な期間、主に誰が介護しているのかについてご紹介します。
前もって親の介護に備えておきたいと考えている方は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてくださいね。
内閣府が発表している「令和2年版高齢社会白書」によれば、介護保険の要介護または要支援の認定を受けた方は、平成29年度末時点で約628万人となっています。
下の表は「65~74歳」と「75歳以上」の要支援・要介護認定を受けている方の割合をまとめたものです。
年齢 | 要支援 | 要介護 |
65~74歳 | 1.3% | 2.9% |
75歳以上 | 8.6% | 23.3% |
※ %の数字は、65~74歳、75歳以上の被保険者に占める割合を示す
上の表を見てみると、75歳以上で要介護認定を受けている方は23.3%になっており、一気に数字が跳ね上がっていることが分かります。
要支援を合わせると、75歳以上の3割を超える方が、どちらかの認定を受けていることになるのです。
また、要介護者認定を受けた原因で一番多いのは「認知症」の18.7%です。
次に多いのが「脳血管疾患(脳卒中)」の15.1%になっています。
女性は「認知症」の割合が20.5%、男性は「脳血管疾患(脳卒中)」の割合が23.0%と、こちらも平均より多くなっているのが特徴です。
要介護者からみた介護者の続柄で最も多いのが「配偶者」の25.2%です。
同居の子は21.8%、同居の子の配偶者が9.7%と続きます。
主に介護施設で介護を受けている割合は13.0%なので、依然として同居の家族が中心となって介護しているケースが多いことが分かります。
また、最も割合が多いのは「配偶者」ということもあり、高齢者が高齢者の介護を行う「老老介護」の多さも見えてくるでしょう。
生命保険文化センターが行った調査によると、平均的な介護期間は4年7ヵ月(54.5ヵ月)でした。
半年未満 | 半年~1年未満 | 1~2年未満 | 2~3年未満 | 3~4年未満 | 4~10年未満 | 10年以上 | 不明 |
割合 | 6.4% | 7.4% | 12.6% | 14.5% | 14.5% | 28.3% | 1.7% |
また、10年以上の介護期間の方も全体の3割程度いらっしゃいます。
こうみると、平均は4年7ヵ月であっても、介護期間は、ある程度長期化するものと考えておく必要があることが分かります。
今回は、介護が必要になる年齢や平均的な介護期間、誰が介護しているのかについてご紹介しました。
いつかやってくる「介護」について、その現実を知っておくことは、自分の生き方を考えるうえでも大切なことです。
高齢の両親がいる方や自分の老後について考えておきたい方は、ぜひ今回の記事を参考に、介護について家庭で話題にしてみてはいかがでしょうか。