介護職の離職率は高いのか?世間の持つ介護職のイメージを紹介!
介護職と聞くと、仕事が大変なため人がすぐに辞めてしまい、離職率が高い仕事と思っている方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では実際の介護職の離職率と世間の持つ介護職のイメージを紹介し、介護職のイメージについて説明していきます。
まずは、介護職の離職率についてです。
介護労働安定センターの2020年度の調査によると、1年間の介護職の離職率は14.9%です。2010年度の介護職の離職率は17.8%でした。
そのため、2020年までに2.9ポイントも改善しています。
「介護業界の離職率は高い」というイメージを持っている人も少なくありませんが、実際の離職率は改善傾向にあります。
このことから「離職率が改善している」ということは、最近は介護職もより長く働き続けやすい仕事になりつつあるといえるのではないでしょうか。
次に実際に世間の持つ介護職のイメージについて紹介していきます。
世間の持つ介護職のイメージは主に以下の4つが考えられます。
・人間関係が大変
・3kの現場で大変
・給与が低そう
・運営への不満が多そう
1つ1つ紹介していきます。
介護職のイメージの1つ目として、人間関係が大変ということです。
介護職の仕事では、利用者さんに安全かつ快適に過ごしてもらうため、スタッフ同士のコミュニケーションが欠かせません。
さらに、同じ介護職同士だけでなく、医療職や外部の業者スタッフ、利用者さんとそのご家族など、さまざまな人との関係が大切です。
それに加え、介護職は年齢や処遇面など様々な人が集まるため、どうしても考え方などが合わず、トラブルが起こることもあります。
とはいえ、人間関係を理由にした退職は、介護業界だけの特有のものではありません。
介護職のイメージの2つ目としては、3kの現場で大変ということです。
3kとは、きつい・汚い・危険な職場です。介護の際、自分よりも体の大きい利用者さんを車椅子に移乗させるなどの業務で腰痛を引き起こすことや、夜勤が続いて体調を崩してしまうというケースもあります。
また、利用者さんの生活に欠かせない排泄介助やおむつ交換を、傍から見て「汚い」と感じる人もいるかもしれません。
介護職のイメージの5つ目として、給与が低いのではないのかという点です。
実際、介護職の平均年収でも360.0万円で、全職種平均の487.3万円を大きく下回っています。
また、介護職は年齢に関わらず、経験年数や資格の有無によって給料が決まることが多いため、介護職として働き始めたばかりの人は「給料が低い」と不満を持つかもしれません。
しかし、国が特定処遇改善加算などで給料を上げる政策を実施してきたため、かつての「給料が低い」というイメージに比べて、現在は徐々に改善しています。
介護職のイメージの4つ目として、運営への不満が多いという点です。
しかし、一般企業であっても企業理念や経営方針に納得いかないことを退職理由に挙げる人は一定数いるため、これだけで介護業界の離職率が高いイメージがついているわけではありません。
ただし、介護施設は規模の小さいところも多く、施設運営者の考えがどのように運営方針に反映されているのかが見えやすいので、不満につながりやすいという傾向はあるかもしれません。
介護職の離職率は年々下がってきています。
そのため、本当に働きやすいかどうかは、「自分と同年代の人が多いかどうか」「ベテラン層・中堅層が厚いか」といったスタッフの年齢層の問題や、スタッフのコミュニケーションが活発で生き生きと働いているかなど、さまざまな点があります。
そういったことを可能な限り転職活動時に見極めて、「自分に合う、長く働ける職場」かどうかを判断する必要があります。
そのため、離職率だけで介護職を判断するのではなく、まずは自分がどのような職場で働きやすいと感じるのかを考えてみるようにしましょう。