ご自身や家族、周りの方に介護や支援が必要になった経験がある方は、ケアマネージャーの存在をご存知でしょう。しかし、まだ介護が必要のない方にとっては、何をしている職業なのか分かりづらいかもしれません。 今回は、ケアマネージャーの仕事内容や資格の取得方法について紹介します。  

ケアマネージャーの仕事内容とは

ケアマネージャーの具体的な仕事内容について、また、ケアマネージャーの上級位置的な業務について紹介します。  

ケアマネージャーの具体的な仕事内容

正式名称が「介護支援専門員」のケアマネージャーは、略して「ケアマネ」とも呼ばれます。ケアマネージャーの仕事は、以下の通りです。 ・要介護認定をする サービスを受けたい方の自宅や病院などに訪れ、現在の状態を確認する。その上で、介護や支援の段階を判断する。 ・ケアプランの作成や管理をする 支援や介護が必要な方に対して、それぞれに合った介護サービス計画を立てる。さらに、定期的に自宅などに訪問し、介護者の健康状態やサービスの遂行状態を検証する。 ・要支援者・要介護者や家族の相談に応じる 生活保護の相談、家族との問題、食事の問題、地域活動参加への紹介、サービス事業者への不満の伝達などをおこなう。 ・各所との連絡や調整をする 自治体と施設や事業所との間に立ち、連絡や調整をおこなう。 ・月ごとの介護保険の給付を管理する サービス利用表作成、事業者との調整、実施内容の確認、国保連への書類の提出をおこなう。  

ケアマネージャーには上級資格者の業務もある

正式名称「主任介護支援専門員」の主任ケアマネージャーは、2006年の介護保険法改正で作られた比較的新しい資格です。代表的な職場としては、居宅介護支援事業所・支援包括支援センター・介護老人福祉施設・介護療養型医療施設などが挙げられます。 この中で主任ケアマネージャーの配置が義務づけられているのは、居宅介護支援事業所と支援包括支援センターです。業務は、ケアマネージャーとしての仕事に加え、以下のようなものがプラスされます。 ・ケアマネージャーの指導や育成・まとめ役 ・ケアプランを作成するときのアドバイス ・予防ケアのマネジメント ・総合的な相談や支援業務 ・各所との連携業務や会議への出席など  

ケアマネージャーの仕事内容とあわせて資格の取得方法もチェック！

ケアマネージャーの仕事内容をおこなうためには、資格が必要です。そこで、ケアマネージャー資格を取得する方法をご紹介します。

ケアマネージャーの資格取得方法

ケアマネージャーの資格取得は誰にでもできるわけではなく、受験資格をクリアしていなければなりません。条件は以下の通りです。 ・特定の国家資格22種類の中のいずれかを保有していること、さらに保有している国家資格の実務経験が通算で5年以上かつ、従事した日数が900日以上であること。 ・介護施設などで生活や支援の相談員(生活相談員・支援相談員・相談支援専門員・主任相談支援員)として相談業務に従事していることに加え、従事期間が5年以上で900日以上の従事日数があること。 ただし、受験資格を得られる相談業務であるかは施設により異なるため、受験地の自治体の担当に相談した方がよいかもしれません。 また、実務経験は受験資格と密接につながるため、受験申し込みをする際に「実務経験証明書」を提出します。証明書は、働いている施設や事業所から発行してもらいましょう。 さらに、ケアマネージャーより上級の「主任介護支援専門員」の資格もあります。一般的には、主任ケアマネージャーと呼ばれるものです。「主任介護支援専門員研修」を受講すると資格を得られますが、受験できるのはケアマネージャーとしての一定の経験や知識があると認められた方のみとなります。 ＜試験内容＞ ・10月頃に年1回おこなう ・マークシート形式 ・問題の内訳は、介護支援分野が25問、保健医療福祉分野から基礎15問・総合5問・サービス知識15問の合計60問を120分で解く。  

ケアマネージャーの仕事内容に魅力を感じる方は資格取得を目指しましょう

ケアマネージャーの仕事内容は、デスクワークや昼間におこなう利用者の居宅訪問が多いため、ほかの介護職と比べると夜勤が少ない傾向にあります。また、介護士やヘルパーなどに比べて肉体的な業務が減るため、体力的にも負担が少ないという点でメリットがあると言えるでしょう。 さらに介護士やヘルパーと違い、事業所内での仕事が多くなるため利用者と接する時間は減りますが、ケアプランの作成や相談に応じることで利用者と家族からの信頼が厚くなります。 そして、事務作業や関係者とのコミュニケーションを図ることが苦ではない方に向いている職種です。ケアマネージャーの仕事内容に魅力を感じる方は、ぜひ資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。