介護士とホームヘルパーの違いってなに?資格や給与などをご紹介
「介護士」「ホームヘルパー」などの言葉はよく耳にします。しかし、歳を重ねたり、身体が不自由になったりしたときにお世話をしてくださる方という漠然としたイメージしか浮かばない方もいるかもしれません。そのため、違いを説明できないという方もいるでしょう。今回は、介護士とホームヘルパーの資格取得の違いや給与面に関することをご紹介します。
介護士とホームヘルパーに違いはあるの?
介護やホームヘルパーの業務には、食事の介助や入浴・排泄の介助、日常生活の支援、介護業務などがあります。そして、それらの
業務をおこなう際に持っていた方がよい資格が3つありますが、介護士とホームヘルパーが取得する資格は異なります。
大きな違いは必要な資格!
介護士とホームヘルパーの大きな違いは、取得する資格にあります。
・介護福祉士
介護士は略称で、種類は国家資格です。試験科目には、筆記と実技があります。取得ルートは、養成施設ルート・実務経験ルート・福祉系高校ルートの3つです。
現在、養成施設ルートからの資格取得方法は制度が変更されたため、卒業年度によって条件が違います。
2016年度までに卒業した方は試験免除、
2017~26年度までに卒業の方は5年以内の筆記試験または実務経験継続5年、
2027年度以降に卒業する方は国家試験の合格が必要です。
一方、ホームヘルパーになるためには研修を受けなければなりません。研修はレベルにより「介護職員初任者研修」と「介護職員実務者研修」の2種類があります。かつてはホームヘルパー2級・ホームヘルパー1級と呼ばれていました。
・介護職員初任者研修
厚生労働省が認定した介護の基礎知識やスキルを学ぶ研修です。通信だけでなく学校に通い授業を受ける必要があります。教育課程修了後に試験を受け、合格することで資格を得られるシステムです。
・介護職員実務者研修
初任者研修よりも専門的な知識を身につける資格です。基本的には研修後の試験はありませんが、スクールによっては実施している場合もあります。実務者研修終了と実務3年以上のセットで、介護福祉士の受験資格が与えられます。
給与面から見る介護士とヘルパーの待遇の違い
もし介護職員として働く場合、
気になることのひとつに給与面が挙げられるのではないでしょうか。
そこで、介護福祉士・職員実務研修・初任者研修の給与データ並びに、その他の介護職に関するデータもご紹介します。
介護資格別による常勤者の平均給与
2020年度の厚生労働省における「介護従事者処遇状況等調査結果の概要」によると、平均給与額は次の通りです。特徴としては、資格の難易度が上がるごとに給与面も高くなっていきます。
・介護福祉士 : 329,250円
・介護職員実務者研修 : 303,230円
・介護職員初任者研修 : 301,210円
・介護系の無資格者 : 275,920円
参照サイト:厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/20/dl/r02gaiyou.pdf
その他の介護職員の平均給与はどうなっている?
介護に携わるのは、介護士やヘルパーだけではありません。そこで、そのほかの職員たちの給与面をご紹介します。データは、2020年度の厚生労働省における「介護従事者処遇状況等調査結果の概要」の一部です。
・看護職員 : 379,610円
・生活相談員・支援相談員 : 343,310円
・介護支援専門員 : 357,850円
・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・機能訓練指導員 : 358,560円
参照サイト:厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kaigo/jyujisya/20/dl/r02gaiyou.pdf
介護士とヘルパーの仕事内容に大きな違いはない
介護士とヘルパーの仕事は、高齢者や障害がある方の日常生活の支援などをすることです。国家資格取得と公的な研修を受講しての資格取得という違いはありますが、業務内容に大きな差はありません。
ただし、
専門家として現場での責任者となるのは介護福祉士です。ケアワーカーとも呼ばれ、介護の指導や指示を出すこともあります。また、就職や転職のときに介護福祉士は正社員として、ヘルパーはパートやアルバイトとしての募集が多くなります。
このように仕事内容に違いはありませんが、
勤務体系や給与面の待遇に違いが出てきます。ヘルパーから介護福祉士にステップアップするのも良いでしょう。